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ヒマラヤで中国が「インド包囲網」

「四カ国同盟」結束には疑問符

2020年12月号

 インドと対立する中国が、パキスタン、ネパール、アフガニスタンの三国と合同で、「ヒマラヤのQUAD(四カ国同盟)」糾合に動いている。南アジアでインド包囲網を作って、ナレンドラ・モディ首相を追い詰めようという狙いだ。
 四角形(Quadrilateral)を意味するQUADは、インド太平洋での日本、米国、インド、オーストラリアの「戦略対話」の略語として、世界の外交界で定着し始めた。中国主導の「ヒマラヤ版QUAD」には、共有する価値観がほとんど見られない。モディ政権は警戒を強め、切り崩しに動いている。

パキスタンとは「鉄の兄弟」

 ヒマラヤ版の最初の外相会合は今年七月二十七日、オンライン会議として実現した。在京外交筋が「容易に想像できる通りの展開になった」と表現するように、中国の王毅外相が司会とメインゲスト役を兼ねて、もっぱら話しまくった。新型コロナウイルス対策、交通インフラ建設など、王外相が中国の支援方針を説明し、三国の注文を聞いた。営業部長の趣である。
 中国は、三国の中ではパキスタンと最・・・