毎年秋に全国の大学で開催される様々な学園祭。今年はキャンパスで実施する大学はほとんどなく、中止か、オンライン開催となった。講義ならともかく、学園祭までオンラインで実施できるのか、学生、教職員には疑問と不安が広がる。対外的にキャンパスを公開する希少なチャンスである学園祭のオンライン化は、少子化で受験生集めに懸命の大学業界にとって、命取りになりかねない要素をはらんでいる。
「今、新たに」。十一月七、八日にオンライン開催することを決めた早稲田祭の開催テーマだ。新しい形態の学園祭を模索する気持ちは表れているが、準備された中身はありきたりだ。
　専用サイトには地域貢献から演劇、スポーツ、サイエンス、ファッションなど盛りだくさんのコンテンツが掲載されているが、十月から十二月にかけて散発的に配信される動画コンテンツの羅列に過ぎない。参加者が学園祭期間の二日間に時間を共有して盛り上がる内容では決してない。要は「早稲田版YouTube」のようなものだ。
　十一月二十二、二十三日に開催する慶應義塾大学の三田祭。毎年、ＯＢの協賛企業からの豪華賞品の出るイベントや華やかさで、早・・・