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経済

JパワーにESG投資の「圧力」

環境保護「軽視企業」に高まる批判

2020年11月号

 日本企業に対するESG投資のプレッシャーが高まっている。槍玉に挙がっているのが、国内最大規模の石炭火力発電事業者、Jパワーだ。海外投資家は同社にCO2排出削減目標の開示を要求しているという。だが、CO2を減らすには、主力の石炭火力発電事業を縮小するほかに手がない。ダイベストメントを選ぶか、虎の子の石炭火力発電を手放すか―日本の石炭火力の〝象徴〟、環境破壊企業が今、瀬戸際に立たされている。
「絶対に出さないほうがいい。出せば自縄自縛になる」。ここ最近、Jパワー内では、こんな声が飛び交っているという。話題の中心は、CO2排出削減目標だ。Jパワーといえば、時価総額こそ三千億円程度だが、全国各地に発電所を持ち、日本の電力インフラを支える大企業である。それほどの企業であれば、CO2排出削減目標の一つでもありそうなものだが、実のところ、そうした数字をJパワーは持っていない。あるのは、CO2排出係数だけだ。
 日本の電力会社は、伝統的にこのCO2排出係数を温暖化対策の指標に用いてきた。理由は、温暖化対策と電力需要拡大を両立できるからだ。CO2排出係数とは、発電量一キロワットアワ・・・