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慰安婦像は「無視」が最善策

反日・韓国に「静かなる外交」のすすめ

2020年11月号

「韓国の歴史への取り組みは、問題というより運動に近い。問題は解決すれば終わるが、運動は持続させることが目的なのだ」(韓国の歴史学者)
 韓国で歴史問題に携わる外交研究者、報道関係者の間でそうした認識が広がり始めている。政府間合意によって歴史問題に区切りをつけ、未来志向に転換したいと願ってきた日本政府は、これまでとは異なる対応が求められている。アプローチの核心は、韓国側の動きに神経をとがらせすぎない「静かなる外交」だ。
 歴史問題に終わりがないことを示す実例として注目されているのが、九月二十八日に除幕式が行われたベルリンの少女像だ。
 ドイツの韓国系市民団体「コリア協議会」が、韓国の元慰安婦支援団体「正義記憶連帯」(正義連、旧挺対協)の寄贈を受けて設置したものだ。
 歩道を管轄するベルリン市ミッテ区当局は十月八日、日本の抗議を受けて設置許可の取り消しをいったん発表した。しかし、韓国の国会議員百十三人が十月十三日、在韓ドイツ大使館に抗議書簡を送ると、ミッテ区当局は同日、当面の間は設置を認めると立場を変えた。韓国外交部関係者は本誌にこう語る。
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