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社会・文化

コロナ・ワクチンの残念な現状

欧米系企業より中国の方が有望

2020年10月号

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない中、世界中の企業がワクチン開発にしのぎを削っている。早期の実用化に期待が高まるが、現実は厳しいようだ。また、開発に成功したとしても、世界で「ワクチン争奪戦」が始まる可能性もある。日本は十分な量を確保できるのだろうか。
 現在、世界では三十八種類のワクチンが臨床開発に入っている。このうち最終段階である第三相試験に入っているのは九つだ。四つはシノバックなど中国企業、残る五つを英アストラゼネカ、露ガマレヤ研究所、米モデルナ、米ジョンソン・エンド・ジョンソン、独ビオンテック・中国上海復星医薬・米ファイザーの企業連合が開発している。
 日本では武田薬品工業が米ノババックスと提携し、日本国内向けのワクチンを製造・販売することとなったが、ノババックスのワクチンは八月十七日に南アフリカで中期臨床試験が始まったばかりで、承認申請の目途は立っていない。

大量の鎮痛剤を飲むことに!?

 日本企業のワクチンに期待できない以上、日本は外資系企業から調達しなければならない。こ・・・