菅政権は中国との「真剣勝負」が課題
ジェイムズ・スタヴリディス(元NATO軍最高司令官)
2020年10月号
―米中の対決構図は、大統領選挙の後で変わりますか?
スタヴリディス(以下JS) そうはならないだろう。これは地政学的な現実だ。大統領が仮にジョー・バイデン氏に交代しても情勢は同じだ。
米中関係は過去数十年なかったほど、最悪の状態にある。まず四つの原因がある。米中間の巨大な貿易不均衡、中国が南シナ海を支配しようとしていること、際限のないサイバー攻撃、そして米国の知的財産の窃盗を続けていることだ。そこに米国の大統領選を迎えた。習近平国家主席も二〇二三年に国家主席の選挙がある。全ての組み合わせが米中関係を「パーフェクト・ストーム(完璧な嵐)」にした。
中国は、米国にとって重要な日本、韓国、台湾、インドなどにも、かつてない圧力を加えている。米国が看過できるわけがない。
―そこに菅義偉首相が就任した。
JS そういうことだ。今は挑戦課題がどっさりある。国際政治の現実を見極めなければならない。中国は特に手ごわい。国の面積、人口が途方も・・・
スタヴリディス(以下JS) そうはならないだろう。これは地政学的な現実だ。大統領が仮にジョー・バイデン氏に交代しても情勢は同じだ。
米中関係は過去数十年なかったほど、最悪の状態にある。まず四つの原因がある。米中間の巨大な貿易不均衡、中国が南シナ海を支配しようとしていること、際限のないサイバー攻撃、そして米国の知的財産の窃盗を続けていることだ。そこに米国の大統領選を迎えた。習近平国家主席も二〇二三年に国家主席の選挙がある。全ての組み合わせが米中関係を「パーフェクト・ストーム(完璧な嵐)」にした。
中国は、米国にとって重要な日本、韓国、台湾、インドなどにも、かつてない圧力を加えている。米国が看過できるわけがない。
―そこに菅義偉首相が就任した。
JS そういうことだ。今は挑戦課題がどっさりある。国際政治の現実を見極めなければならない。中国は特に手ごわい。国の面積、人口が途方も・・・