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連載

日本の科学アラカルト 122

「新型コロナ研究」にも寄与する ノーベル賞有力候補

2020年10月号

 今年もノーベル賞の季節がやってきた。十月五日の医学・生理学賞を皮切りとして、翌日から物理学賞、化学賞、文学賞、平和賞が発表され、週末をはさんで十二日に経済学賞の受賞者が判明する予定になっている。新型コロナウイルス禍は収束する兆しを見せておらず、十二月の晩餐会、授賞式は中止となる。
 一昨年の本庶佑氏(医学・生理学賞)、昨年の吉野彰氏(化学賞)に続く日本人受賞者は出るのか。
 ノーベル賞授賞の目安として取り扱われるのが、クラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞だ。かつてはトムソン・ロイター引用栄誉賞と呼ばれていたもので、運営会社が代わったために現在の名称となった。論文の影響力を測る尺度となる「どれだけ他の論文で引用されたか(被引用数)」を分析して授賞者を決定するのだが、単純に被引用数だけではなく、トレンドや独自の分析を加味した上で、ノーベル賞と同じ分野ごとに発表されている。ほぼ毎年のように、過去に引用栄誉賞を受けた人物がノーベル賞を受けるケースが続いており、一定の信頼度を誇っている。引用栄誉賞受賞者が公表されるようになったのは二〇〇二年からだが、これまでに多くの日本人・・・