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経済

《企業研究》西武ホールディングス

独裁者「後藤」はなおも居座るか

2020年9月号

 新型コロナウイルス禍で大手十八社が揃って最終赤字に陥った鉄道各社の二〇二〇年度第1四半期(1Q、四~六月)決算―。なかでも“惨状”を極めたのが西武鉄道を傘下とする西武ホールディングス(HD)だ。何しろ赤字幅は二百八十七億円(前年同期は百四十二億円の黒字)とJR系四社を除き最大級。八月三日の株価は一時九百一円まで下落し、一四年四月再上場来の最安値を記録した。
 赤字転落の一番の元凶はプリンスホテルを主力とするホテル・レジャー事業の失速だ。政府による緊急事態宣言の発令後、多くのホテルやゴルフ場、「八景島シーパラダイス」などのレジャー施設が臨時休業に追い込まれたこともあって百四十三億円の部門赤字(同三十七億円の黒字)を計上。鉄道を核とする都市交通・沿線事業の部門赤字五十三億円(同八十三億円の黒字)を三倍近く上回った。
「ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町」をはじめグループで保有する国内五十近いホテル、計一・七万室超にのぼる客室の稼働率は四月五・七%、五月一・八%で、宣言解除後の六月も五・五%。1Q通して四・三%にとどまった。期中の宿泊客数は六万五・・・