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バイデンの「対日要求」

中国包囲網で課される「重責」

2020年9月号特別リポート

 米大統領選の世論調査で、ドナルド・トランプ大統領をリードするジョー・バイデン前副大統領(民主党)が、「新政権の外交方針」を内外に示し始めた。
 来年一月に就任した後には、百日以内に地球温暖化防止を定めた「パリ協定」やイラン核合意に復帰するなど、全速力で日本や欧州の同盟諸国との絆の回復を目指す方針だ。
 一方、「新冷戦」状態に陥っている米中関係については、トランプ大統領のような強烈な非難はやめるものの、戦略的ライバルとして長期的に対抗していく構えである。
 すべてが「トランプ以前」に戻るわけではなく、日本と欧州には貢献拡大を求めていく。国際情勢はいくらか落ち着きを取り戻すかもしれないが、日本にとっては対中、対アジア政策で今以上の指導力が求められている。

「就任最初の百日」で正常化目指す

 オンライン開催の民主党大会閉幕から、一夜明けた八月二十一日。有力シンクタンク「大西洋評議会」のデイモン・ウィルソン副会長は、バイデン陣営の幹部から「折り入って話したいことがある」との申し入れを受・・・