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連載

皇室の風 145

「コロナは人類共通言語」
岩井 克己

2020年9月号

 巨大台風やハリケーン、広域山林火災、アフリカやインドのサバクトビバッタや中国の「黄脊竹蝗」(竹や稲を食いつくす黄色角竹バッタ)の大量発生など、地球規模の環境異変が続く。
 そして、コロナ禍である。グローバル経済の裏側の過酷な境遇の人々を直撃。インドでは全土ロックダウンで仕事も行き場も失った数百万の人々が故郷へと数百キロを歩く姿も報じられている。
 カナダ人ジャーナリストのナオミ・クラインは言う。
「以前から存在した危機と脆弱性―システムにショックが加わると、自分たちがどれほど脆弱かわかります。資本主義グローバリゼーションの論理はサプライチェーンを途方もなく長く、極端に集中したものにしています。(略)病院のベッドが足りない、食糧がない、水がない。資本主義の効率の論理がシステムの余裕を許さない」
「いろいろな点でこのウィルスは、赤外線探知ミサイルのように作用して、命ある存在なのにそう扱われていないところを探知する。(略)私たちが目の当たりにしているのは、一方では、正体を現したシステム、ケアの不足、極度の人種差別と性差別、使い捨て扱いされる人々ですが・・・