NECがインドで人権侵害に加担
「生体認証」でトラブル続出
2020年9月号
世界中で拡大を続けている新型コロナウイルスだが、その猛威は「世界最大の民主主義国家」を自負するインドにも広がっている。
インドでは現在(八月二十五日)、三百万人以上が新型コロナに感染し、六万人近い死者が報告されている。そんな状況で、インドが導入に力を入れてきた全国民に個人識別番号を振り分ける「アドハー制度」のせいで、コロナ死が出るケースが報じられている。
インド南部ベンガルールで新型コロナに感染して自宅で自主隔離していた四十歳男性の容体が悪化したのは八月十六日のこと。呼吸困難に陥って家族が慌てて救急車を呼んだが、向かった病院は、アドハーの詳細がわからないことを理由に受け入れを拒否し、結果的に男性が死亡する事態になった。
皮肉なことに、全国民が社会福祉などを受け入れられるようにするという触れ込みでそもそも始まったこのシステムによって死者が出たことに地元でも動揺が走っている。
実は、このアドハー、日本のNECが全面的に支援しているシステムである。日本では、NECのインドにおける実績として華々しく報じられているが、インドでは、今回・・・