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経済

トヨタ章男「大輔世襲」への布石

「私物化」進む巨大企業の暗い将来

2020年9月号

 トヨタ自動車の子会社で、豊田章男社長の子息である大輔氏が副社長を務めているトヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント(TRI‐AD)が七月二十八日、大規模な組織改編を発表した。それによると二〇二一年一月に自動運転技術の開発を手がけるTRI‐ADを「ウーブン・コア」へ社名変更し、新たにスマートシティー「ウーブン・シティ」での街づくりなどを手がける「ウーブン・アルファ」を設立した上で、両社を統括する持ち株会社の「ウーブン・プラネット・ホールディングス」を立ち上げるというものだ。
 発足時は三社のトップに、米グーグル出身のジェームス・カフナーTRI‐AD CEO(最高経営責任者)が就任する。が、早くもトヨタ社内では「カフナーCEOの兼務では、わざわざ会社を分割する意味がない。いずれかの会社のトップに、大輔氏を昇格させるのは間違いない」とささやかれている。彼がトップに就任する最有力候補はウーブン・アルファだという。

「世襲コンプレックス」が背景

 トヨタ時代に電子制御技術部でソフ・・・