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社会・文化

コロナ第二波は「人災」

感染拡大に無為無策の政府

2020年8月号

 首都圏を中心に新型コロナウイルスの感染が再び拡大し、もはや第二波襲来は誰の目にも明らかとなった。世界に目を向けると、真夏の北半球で、感染が拡大している先進国はアメリカやスペイン、日本くらいしかない。東アジアでも中国、台湾、韓国で第二波は確認されていない。一体、何がこれらの国と日本を分けたのだろうか。それは政府の対応だ。診断・治療・隔離という基本を忠実に行った諸外国に対し、これを怠った日本。第二波は人災だ。
 第二波を食い止めた中国や韓国は、第一波の収束期に局所的に生じる小さな流行を早期に発見し、迅速に封じ込めた。
 中国の北京市内最大の食品卸売市場「新発地農産品卸売市場」で六月十一日、集団感染が確認された。中国政府は「卸売市場は人の流動性が高く、感染拡大のリスクが高い」と判断して、「重大突発公共衛生事件」レベルを四等級のうち、三級の「比較的重大」から二級の「重大」に格上げし、市場および周辺地域を封鎖するとともに、PCR検査の体制を強化した。一日あたりの検査能力は、集団感染発覚当初の四万人から、百万人以上になった。
 北京市の発表によると、感染発覚以降、七・・・