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政治

《罪深きはこの官僚》西田憲史(文部科学省高等教育局大学振興課長)

大学入試改革 「総崩れ」の責任者

2020年8月号

「大学入試改革」はことごとく失敗に終わりそうな雲行きになっている。今年度から導入される予定だった大学入学共通テストにおける英語民間試験の利用と、国語と数学での記述式問題について昨年十一月と十二月に相次いで見送りが決定した。ここにきて、生徒のボランティア活動などの実績について入試の際に勘案する「主体性等評価」に使われる予定だった、ジャパン・イー・ポートフォリオ(JeP)の先行きが不透明になっているのだ。七月に入り、JePを運営する一般社団法人「教育情報管理機構」への許可を文部科学省が取り消す方針であることをNHKが報じた。実際、同機構の内情については不安視する声があり、「許可取り消しは不可避」(文科省担当記者)だという。
 結果、大学入試改革の三本の柱とされた、「英語民間試験」「記述式問題」「主体性等評価」のいずれも頓挫してしまう。これらについて所管しているのが高等教育局傘下の大学振興課であり、課長を務めるのが西田憲史だ。西田は京都大学法学部を卒業後、一九九三年に旧文部省に入省。官房企画官や文部科学戦略官、医学教育課長などを経て昨年七月に現在のポストについた。同年九月には全国高・・・