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社会・文化

日本医師会長選挙「泥仕合」の結末

「中川新執行部」の多難な前途

2020年7月号

 これまでの人生で最もうれしい誕生日になったに違いない。六月二十七日に行われた日本医師会の役員選挙で、この日六十九歳を迎えた副会長の中川俊男氏が三百七十一票中百九十一票を獲得、現会長の横倉義武氏を十七票差(白票・無効票六)で破り、新会長に選ばれた。正副会長による選挙戦は熾烈を極め、組織が真っ二つに割れた。新型コロナウイルスは今後、第二波、第三波が懸念される。中川新執行部は一刻も早く会内の融和をはかり、対応していく必要がある。

横倉「一転出馬」の経緯

 今回の役員選挙では、横倉氏の進退が最大の焦点だった。横倉氏の年齢は七十五歳。連日の新型コロナウイルス対応で、日に日に疲労の色が濃くなっていた。横倉氏自身も限界を感じていたようで、今年に入って二度にわたり、中川氏(六十九歳)に対し「今回で降りる。後は君に任せる」と会長職の禅譲を告げていた。
 日医関係者によると、横倉氏にいったん引導を渡したのは、日医内で影響力を持つ埼玉県医師会の金井忠男会長と、東京都医師会の尾﨑治夫会長だったという。
「あなた・・・