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経済

電通と経産省「黒い蜜月」の内幕

首魁はまたも「新原浩朗」

2020年7月号

 破顔一笑したある自民党関係者は、こうつぶやいた。
「前田の奴、野党の安倍降ろしの道具にされたな」
 新型コロナウイルス対策として中小零細企業に現金を支給する経済産業省の「持続化給付金」事業―。その事務局を、電通を主体とする謎の一般社団法人が巨額の七百六十九億円で落札し、さらに七百四十九億円で業務の大半を電通へ再委託していたことが発覚、終盤国会は官製談合を疑う野党の追及一色となった。槍玉に挙げられたのが同省・中小企業庁長官の前田泰宏である。
 週刊文春の「前田ハウス」報道で一躍有名になった前田だが、自民党関係者が嗤うのも無理はない。前田は若手の頃から政財界人へ歯に衣着せぬ毒舌を振るう、通産省(現経産省)の名物官僚として知られた存在だった。武勇伝は多い。
 資源エネルギー庁で頭角を現し、「昼は早口の関西弁で電力自由化をまくし立て、夜は電力会社やガス会社に付けを回して飲み歩いていた」(電力関係者)ことは周知の事実。資エ庁を追放され、IT行政、自動車行政へ転じるが、「自動車課長のときにはトヨタとの癒着がひどく、業を煮やしたホンダが密告したほど」(同省幹・・・