中国「封じ込め」は成功するか
米国不信で「穴だらけ」の包囲網
2020年7月号特別リポート
最近の中国政府の物言いが、妙にカンにさわるという読者もいるだろう。新型コロナウイルス大感染後、中国政府は明らかに自己主張を、以前より強引に押し出すようになった。ドナルド・トランプ大統領の米国だけでなく、日本を含めた周辺諸国に、強い言葉で抗議や反論する機会が激増した。
米国は、国際政治・経済で膨張した中国を、「封じ込め」によって抑え込む戦略を模索している。かつてのソ連を崩壊に向かわせた、冷戦時代の手法だが、現在の中国はソ連よりもずっと強力だ。中国を、国際社会でより建設的なメンバーにするには、日本を含む同盟諸国の協力が不可欠なのである。
国際政治の力関係は、テレビニュースで見る顔により分かる。
トランプ大統領は別格として、「中国外務省報道官」を目にする機会が増えたことにお気づきだろうか。挙措が印象的な華春瑩、傲慢そうな耿爽、目つきが陰険そうな趙立堅の各報道官はすっかり、各国テレビの「顔」である。それだけ、中国の登場率が高いのだ。
あるインド民放の経済部デスクは、「インドと中国のヒマラヤの国境地帯での衝突事件を見ていたら、同じ報道官がオースト・・・
米国は、国際政治・経済で膨張した中国を、「封じ込め」によって抑え込む戦略を模索している。かつてのソ連を崩壊に向かわせた、冷戦時代の手法だが、現在の中国はソ連よりもずっと強力だ。中国を、国際社会でより建設的なメンバーにするには、日本を含む同盟諸国の協力が不可欠なのである。
国際政治の力関係は、テレビニュースで見る顔により分かる。
トランプ大統領は別格として、「中国外務省報道官」を目にする機会が増えたことにお気づきだろうか。挙措が印象的な華春瑩、傲慢そうな耿爽、目つきが陰険そうな趙立堅の各報道官はすっかり、各国テレビの「顔」である。それだけ、中国の登場率が高いのだ。
あるインド民放の経済部デスクは、「インドと中国のヒマラヤの国境地帯での衝突事件を見ていたら、同じ報道官がオースト・・・