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米MGMのIR提案書提出が延期に 大阪・松井市長が案ずる菅義偉の動向

2020年7月号

 大阪市の松井一郎市長がIR(統合型リゾート)をめぐり、盟友の菅義偉内閣官房長官との関係に悩んでいる。大阪進出を目指している米MGMリゾーツ・インターナショナルの意向で、大阪市は提案書の市への提出期限を七月から延期した。このため、仮に期限を半年延ばすことになると、書類審査や議会説明などで、来年一~七月の政府への申請期間に間に合わなくなる恐れが出ているのだ。
 大阪市側は政府に申請日程の変更を求めたい考え。しかし、IRを主導する菅氏の足元の横浜市で来年八月に市長選が予定されており、IRをテコに市長選に影響力を行使したい菅氏は日程変更に否定的と見られる。それ以上に、IR事業を担当する国土交通相に、IRに批判的だった公明党から赤羽一嘉氏が送り込まれている現状では、これ以上スケジュールが遅れるようだと、IRそのものが有名無実にされかねないとの警戒感がくすぶっているのだ。
 ただでさえ首相官邸内で孤立気味と言われる菅氏の苦境を知る松井氏だけに、どこまで「情」に訴えるべきか、「理(利)」との間で板挟みになっている。・・・