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連載

広告を裏読みする 第19話

「政府広報」依存を強めるメディア
本誌編集部

2020年7月号

「日本テレビでは、今年五月のスポットCMクライアントのランキングで、内閣府が四位だった」
 大手広告代理店関係者がこう明かす。こうした状況は他のキー局でも同様であり、内閣府が民放の「大スポンサー」になっているということを示している。
 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、各種媒体への広告出稿が減り、テレビ、新聞ともに、新型コロナに関する政府広報の割合が増加している。つまり、コロナ禍においてメディアの「税金依存」が静かに進行しているようだ。
「コロナと広告」といえば、持続化給付金についての広告代理店の電通が関与した法人が給付業務を請け負っていた件が話題となった。その法人の実態が不透明な上、九割以上を電通に再委託していた一件は周知の通りだ。特に、朝日新聞や毎日新聞、東京新聞などが六月に入って連日報道していたが、一方で各紙ともに件の持続化給付金についての全面広告を掲載している。出稿者は中小企業庁で、「扱いはほとんどの新聞社が電通」(広告業界関係者)だという。朝日の広告部門関係者はこう話す。
「緊急事態宣言以降、広告の量を確保できずページ数も減らしている・・・