菅官房長官「電撃辞任」のXデー
《政界スキャン》
2020年7月号
語るに落ちるとはこのことだ。安倍晋三首相は六月二十日夜、インターネット番組で橋下徹元大阪市長と約一時間対談し、放送開始から三分で自ら切り出した。
「政治家は直接話をしないといろんなこと言われる。例えば私と菅義偉官房長官の間ですきま風が吹いてるんじゃないかと盛んに言う人いるじゃないですか。実際はそんなことないんですが、でもそういうこと言われるとある種の空気が漂う危険性ありますから、よく実際話をすることが政治の場ではとても大切なんです」
前の週、国会で野党議員から質問されて同じように否定した政界の観測を、あえて蒸し返すとは、いかにもくどい。
番組出演の前の十九日夜、安倍首相は東京・虎ノ門の高層ホテルにあるラウンジ・レストランで、三年ぶりの懐かしい顔ぶれで会食した。麻生太郎副総理兼財務相、甘利明自民党税制調査会長、菅氏。第二次政権の発足から三年間、中枢を担った「3A+S」の面々である。菅氏と会話が足りないのなら二人で向き合えばいいだけなのに、余人を交え、メディアに見せつけなければならない。これではかえって「官邸内別居状態」を認めたも同然である。・・・