トヨタが「コロナ便乗」下請け苛め
この苦境で部品「値下げ強制」の冷酷
2020年7月号
トヨタ自動車の広報担当者が日本経済新聞に猛抗議をしたのは、六月五日のこと。問題になったのは同日朝刊に掲載された記事だ。事実関係に誤りはなく、日経側は戸惑うばかりだったが、この抗議の裏には豊田章男社長を絶対視する風潮が加速する、トヨタの病理が垣間見える。新型コロナウイルスと並んで、こちらの病も深刻になり、その影響は下請けにつけまわされることになりそうだ。
日経朝刊に掲載されたのは「派遣各社、雇用維持に懸命」という記事。新型コロナの影響で主にメーカーへの派遣が減少している現状を描いたもので、自動車メーカーでの実態がクローズアップされていた。記事中、「トヨタ自動車では昨秋比で三分の二の水準まで派遣(社員)が減った」という一文があり、実際同社では昨年九月に一千二百人受け入れていた派遣社員が五月に八百人にまで減少したという。一方で、トヨタが休業手当資金を負担し、派遣会社を通じて派遣社員に支払っているという事実も紹介している。経済誌記者が語る。
「トヨタの担当者は、『なんで派遣切りしたような記事にするんだ』と日経に怒鳴り込んだ」
記事では、同社が派遣募集を停止し・・・
日経朝刊に掲載されたのは「派遣各社、雇用維持に懸命」という記事。新型コロナの影響で主にメーカーへの派遣が減少している現状を描いたもので、自動車メーカーでの実態がクローズアップされていた。記事中、「トヨタ自動車では昨秋比で三分の二の水準まで派遣(社員)が減った」という一文があり、実際同社では昨年九月に一千二百人受け入れていた派遣社員が五月に八百人にまで減少したという。一方で、トヨタが休業手当資金を負担し、派遣会社を通じて派遣社員に支払っているという事実も紹介している。経済誌記者が語る。
「トヨタの担当者は、『なんで派遣切りしたような記事にするんだ』と日経に怒鳴り込んだ」
記事では、同社が派遣募集を停止し・・・