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経済

石炭火力「野放し」の 進次郎環境相

内閣改造後も「続投熱望」の電力業界

2020年7月号

 通常国会が終わり、八月にも内閣改造が行われそうな雰囲気だ。支持率低下に貢献した問題児たちはいずれも姿を消すとみられているが、そのうちの一人は環境相を務めた小泉進次郎氏だろう。まさに鳴り物入り、満を持しての初入閣だったが、注目を浴びたのは
〝ポエム〟と揶揄された独特のフレーズを連発した最初だけで、その後は鳴かず飛ばず。本人にとっても、ここは一度身を引き、反転攻勢の機会を窺う方が得策のはずだが、「いや、ぜひとも環境相を続けてほしい」と意外な声も聞こえてくる。小泉環境行政を高く評価するのは、絶滅の危機に瀕する石炭業界だ。
「『石炭火力発電輸出ファクト集2020』に関する分析レポート」。環境省は五月、こんなタイトルを冠した文書を公表した。まとめ上げたのは「石炭火力発電輸出への公的支援に関する有識者によるファクト検討会」。レポートと同様、不得要領の名前だが、この検討会は小泉環境相が肝いりで設置したものだ。石炭火力輸出を推進している先進国は日本のみ。海外から批判が強まる中、小泉環境相もベトナムへの輸出などに疑問を呈していた。その流れでの検討会立ち上げで、いよいよ日本も石炭政策・・・