河野太郎は宰相の器か
人気上昇「変人政治家」の実力
2020年7月号
韜光養晦か、融通無碍か。戦略家か、大衆迎合主義者か。イージス・アショア配備計画を事実上白紙に戻す「英断」を行ったことで、防衛大臣・河野太郎が自由民主党次期総裁レースの最有力候補の一人に再浮上したとの見方が出ている。いまだ「不思議な政治家」と評される人物に対し、永田町や霞が関では、刮目しての品定めが改めて始まった。
防衛大臣経験者や公明党幹部にも「寝耳に水」だった計画停止発表は、河野をよく知る関係者にとっては驚きでなかった。外務大臣から横滑りした後も異例の頻度で外国出張を続けた河野は、新型コロナウイルス感染拡大で国内出張すらままならず、有り余ったエネルギーをライフワークである行政改革や無駄撲滅に向けたからだ。当然、当初見込みから導入費用が膨張したイージス・アショアの見直しが含まれないわけがない。
問題は、計画の事実上の撤回について、米国にも与党の要路にも根回しを行わなかったことだ。元防衛大臣の小野寺五典や前統合幕僚長の河野克俊らが批判や不満を表明し、安倍晋三政権の外交・安全保障政策の一貫性に疑問符がつく結果にもなった。
リーダーとして問題視される要素・・・