国家安保局「経済班」の哀れな非力
所詮は「米国従属」のお飾り組織
2020年7月号
外交・安全保障政策の総合調整を担う国家安全保障局(NSS)に、経済分野を専門とする「経済班」が発足したのは、今年四月一日のことだ。
経済班は、サイバーセキュリティ対策や機密技術の流出防止、5G、デジタル通貨への対応、さらに政府が日本経済や安全保障への脅威と見る新型コロナウイルス感染症の水際対策も担う。始動直後には、異例とも言えるテレビ取材までさせ、まさに鳴り物入りでスタートした注目の組織である。
そんな組織の手腕が早速試されるサイバーセキュリティ事案が六月八日に発生した。自動車メーカーのホンダがサイバー攻撃に見舞われたのである。
ホンダ社内のメールやデータのシステムが使用できなくなり、生産管理システムなどにも被害は及んだ。さらに、同じウイルスが北米やブラジル、トルコ、インドの工場などを襲い、九工場で生産を数日停止するなど、深刻な事態になった。
今までのところ、ホンダや当局から、この攻撃について明確な説明はない。だが実は、国内でホンダがメディアの取材に「攻撃の手口についてはセキュリティ上の観点から公表を控える」と悠長なコメント・・・