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緩む欧州「コロナ第二波」が切迫

優等生ドイツでも早や凶兆相次ぐ

2020年7月号

 新型コロナウイルスで多数の感染者・死者を出しながら、早々に規制緩和に踏み切ったヨーロッパ諸国で、「第二波」の懸念が強まっている。各国から、その対策を称賛されたドイツでさえも、早くも不気味な集団感染や暴動事件が起きている。
 スペインやイタリアなど、夏の観光業に頼る地中海沿岸諸国に対しても、「緩和が早すぎる」との声が根強い。このまま緩和が続けば、「第二波は八月末にも到来する」との指摘が出ている。

「欧州の成功例」に嫌なムード

 ドイツの制限緩和後、最初の異変は六月十四日に伝えられた。
 北部の港湾都市ブレーマーハーフェンで、百十二人の感染が確認された。全員が同じキリスト教会の信者だった。ドイツ政府が「感染拡大の目安」とする「実効再生産数(R)」が、前日までの一・〇から一・〇九に上昇した。一人の感染者から何人に感染したかを示すもので、(R)が一・〇以下なら感染は拡大傾向にないとされる。
 ドイツ政府は、欧州連合(EU)の主要国に先駆けて、五月六日に制限措置の緩和を始めた。問題の教会・・・