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米国こそ最悪の 「コロナ輸出大国」

感染移民「強制送還」で悲劇の中南米

2020年7月号

 米国が「新型コロナウイルスを輸出している」と、中南米諸国から批判を浴びている。感染拡大後も、不法移民の国外追放を続け、その多くが感染者だからだ。国際機関は「感染拡大中は移民・難民の強制送還停止」を求めているが、ドナルド・トランプ大統領は全くこの勧告を無視している。
 米国は強制送還や国外追放前に、ほとんど新型コロナの検査を行っていない。中南米の保健当局者からは、疫病感染の震源地だった中国武漢市になぞらえ、「米国は南北アメリカ大陸の武漢」とする批判も登場した。
 六月になって、テキサス、カリフォルニア、アリゾナ各州など、メキシコと国境を接する地域で、劇的な感染拡大が起きた。「コロナ輸出」が自国に跳ね返っている兆候も浮上した。南北アメリカ大陸各国はどこも、「第一波」の終結が見えないままに、世界最悪の感染地域になってしまった。
 南米ブラジルは六月、米国に次いで二番目の「感染者数百万人突破」国になった。さらにペルーやチリ、メキシコは感染者数か死者数で世界の「ワースト10」入りした。コロンビアやエクアドルも、これに続くという最悪の展開だ。

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