《クローズ・アップ》東 正浩(ブリヂストン新COO兼日本事業社長)
「津谷体制」下の名ばかり社長に
2020年6月号
成熟産業の安定経営―。ブリヂストンといえばそんな印象を抱くが、最近は少し様相が異なる。 七月一日付で江藤彰洋現COO(最高執行責任者)兼社長が退任し、今年一月に代表執行役副会長に就任したばかりの東正浩氏がグローバルCOO兼日本事業社長に就任する。江藤氏が就任したのはわずか一年半前のこと。それまでCOOだった西海和久氏が退任したことによる昇格だが、これにより社内での立場をより強固にしたのが、二〇一二年からCEO(最高経営責任者)に君臨し続けていた津谷正明氏だった。経済誌記者が語る。
「津谷氏は一二年、『荒川詔四(当時会長)、津谷、西海の三頭体制』と説明していたが、荒川氏を早々に相談役に押し上げてしまった」
そして一年半前に西海氏が退任したことで事実上の「津谷一頭体制」になった。津谷氏は今年三月にCEOを降り、石橋秀一現CEO(創業家の石橋家とは無関係)にその座を譲り取締役会長となった。しかし実質的には津谷氏の影響力は色濃く残っており、それが今回のCOO交代にも表れている。
CEOにCOO兼社長、日本事業社長と、同社の肩書をみてもシンプルに「誰が偉いのか・・・
「津谷氏は一二年、『荒川詔四(当時会長)、津谷、西海の三頭体制』と説明していたが、荒川氏を早々に相談役に押し上げてしまった」
そして一年半前に西海氏が退任したことで事実上の「津谷一頭体制」になった。津谷氏は今年三月にCEOを降り、石橋秀一現CEO(創業家の石橋家とは無関係)にその座を譲り取締役会長となった。しかし実質的には津谷氏の影響力は色濃く残っており、それが今回のCOO交代にも表れている。
CEOにCOO兼社長、日本事業社長と、同社の肩書をみてもシンプルに「誰が偉いのか・・・