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賭け麻雀で辞職の黒川前検事長に 細田派不祥事のもみ消し疑惑

2020年6月号


 新聞記者との賭けマージャン問題で辞職した黒川弘務・前東京高検検事長が、安倍政権への置き土産に、安倍晋三首相と同じ細田派所属議員の不祥事を不問に付していた疑惑が浮上している。
 本誌二〇一九年四月号の本欄で、白須賀貴樹・文部科学大臣政務官(当時)の差し金により、河野太郎外相(当時)と千葉県富里市議(現・県議)の二連ポスターが約百二十枚も剥がされた件を報じた。同年九月、県警は白須賀氏の秘書ら四人を器物損壊容疑で書類送検。事実関係に争いのない事件にもかかわらず、千葉地検は半年にわたり塩漬けにしていたが、今年四月六日付で突如、不起訴処分となったのだ。
 前後して、三月三十日付で神村昌通・前静岡地検検事正が千葉地検検事正に異動。神村氏は全国の法務・検察幹部が集まる会議で、黒川氏の定年延長に公然と反対した人物だ。微妙なタイミングだが、自民党関係者は「黒川氏が神村氏着任のどさくさに紛れて不起訴にさせたのでは」と勘繰る。ポスター剥がしの被害者の県議は、不起訴を不服として検察審査会への申し立てを準備している。
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