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経済

PCR検査キット販売で総スカン 楽天・三木谷氏の狡猾な責任逃れ

2020年6月号公開

 楽天の三木谷浩史会長兼社長が四月二十日に新型コロナ用の法人向けPCR検査キットを発売するとぶちあげたが、その十日後には早くも販売を見合わせると発表した。PCR検査キットの提供元は、楽天が出資し、三木谷氏が社外取締役を務めていたジェネシスヘルスケア。販売中止の名目は、同社代表取締役だった佐藤バラン伊里氏が経歴詐称疑惑で辞任するというコンプライアンス問題だ。
 佐藤氏は、「週刊文春」などが報道した経歴詐称疑惑で四月二十八日に辞任に追い込まれたが、彼女の経歴詐称は数年前にも報じられており、新たなネタではない。じつは「今回、改めて週刊誌を使って佐藤氏を追い込んだのは三木谷氏自身」(楽天関係者)とされる。携帯事業がスタートダッシュに失敗する中、検査キット販売で数百億〜一千億円規模の売り上げを狙ったが、検体採取を本人に任せる手法などが日本医師会などから問題視され総スカンを食った。
 世の中のあまりの批判に慌てた三木谷氏が佐藤氏の経歴詐称に目を付け、それをダシにうまく撤退することに成功したというのが実態のようだ。


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