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政治

難航する陸上イージス計画 河野防衛相が「白紙」を検討

2020年6月号公開


 秋田市の陸上自衛隊新屋演習場内への建設構想が頓挫し、新たな立地場所を探しているイージス・アショアについて、河野太郎防衛相が計画を白紙にした場合の影響を調べ始めた模様だ。地上発射型の最新ミサイル防衛システムは、秋田、山口両県に置くことで列島全体をカバーするとされ、厳しい運用を強いられているイージス艦の負担を軽減する利点もある。
 ただ、費用はつり上がり、現状でも取得費だけで二基五千億円以上、今後、更に値上がりの恐れがあるうえ、運用費も巨額だ。立地場所が確定しないため、運用開始は二〇二五年度以降にずれ込む見通しだ。それまでに中国や北朝鮮の軍事戦略が弾道ミサイルからドローン攻撃などに変われば、イージス・アショアは無用の長物となる。与党内にも費用対効果への疑念があり、河野氏の英断に期待する声の一方、計画撤回は米政権に強い影響力を持つ米防衛産業を敵に回し、河野氏の将来に傷がつくと心配する見方もある。


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