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社会・文化

「東京五輪」はやっぱり無理

開催強行なら悲惨な大会に

2020年6月号

「バッハ会長より、コーツ委員の発言のほうが実はインパクトが大きい。都庁内でも『早い段階での中止もある』と誰もが考え始めているが、表立って口にすることは、はばかられる」
 五輪事業にも関与する東京都のある幹部職員はこう吐露した。新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言がようやく解除され、来年夏の五輪・パラリンピック開催に向けて再スタートを切る東京都と大会組織委員会。しかしその見通しは想像以上に暗い。

パラ選手の「感染リスク」

「現在のスポーツをとりまく状況では、劇的な改善がなければ来年開催は無理ではないか」
 各種競技団体をとりまとめる日本スポーツ協会(旧・体育協会)の幹部は疑問を呈する。
 実は今、東京五輪開催を誰よりも望んでいる各種競技の関係者のほうが開催に悲観的になっている。日本陸上競技連盟の幹部が語る。
「国内はもちろん、国際大会の開催予定が見通せない。仮に来年夏の五輪が開催されても、スケジュールが立てられない以上、準備ができず選手の体に危険さえある」
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