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経済

JR東海「リニア頓挫」の窮地

全ての計画がコロナで丸潰れ

2020年6月号

 ほんの数カ月前まで、東海旅客鉄道(JR東海)といえば、JR各社の中でもダントツの収益力を誇る超優良企業だった。財政投融資からの借り入れを受けたとはいえ、全額自己負担での中央新幹線(リニア)建設に九兆円を投じる意欲も体力もあった。しかし新型コロナウイルスの感染拡大の影響が旅客業界各社を直撃する中、JR東海のリニア建設計画を危ぶむ声が出始めている。巨額自己負担に加え、財投返済計画にも黄信号が灯りかねないところに、別のリニア建設遅延要因も加わり一気に暗雲が垂れ込めている。

「建設費」の原資が目減り

「まだ感染拡大が限定的だった二月、三月だけでも業績に少なからず影響があった。今年度のさらなる悪化は避けられない」
 全国紙経済部記者はこう語る。四月二十七日に発表されたJR東海の連結決算(二〇二〇年三月期)は、売上高こそ前期比一・八%減(約一兆八千四百五十億円)にとどまったが、営業利益は同七・六%減(六千五百六十億円)、純利益が同九・三%減(三千九百八十億円)となった。単体(売上高一兆四千三百七十億円)でも似・・・