三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

経済

《地方金融の研究》広島銀行

二大産業「沈没」で万事休す

2020年6月号

「不要不急のひとり芝居」。競合行幹部からはこんな皮肉も漏れる。
 広島市に本店を置く広島銀行が五月、持ち株会社体制に移行することを決めた。受け皿となる新会社「ひろぎんホールディングス(HD)」を設立、今年十月一日を期し、単独株式移転で同社の完全子会社となる。経営統合など再編を伴わない持ち株会社化は地銀界では極めて異例。「銀行業の枠にとらわれることなく業務の軸を広げていく」(首脳)のが狙いだ。
 広島銀では持ち株会社体制への移行後、現在は同行の子会社となっているひろぎん証券、しまなみ債権回収と、今年四月に設立した投資会社・ひろぎんキャピタルパートナーズに、持分法適用会社のひろぎんリースを加えた計四社の同行保有株をひろぎんHDに現物配当。当面はひろぎんHDの下に五社がぶら下がる形にグループ組織を再編する。ひろぎんリートマネジメント、ひろぎんカードサービスなどは銀行子会社として残す方針だ。持ち株会社の会長、社長には広島銀の池田晃治会長、部谷俊雄頭取の両トップが横滑りで就任し、部谷氏は銀行頭取も兼務する見通し。六月二十五日の定時株主総会を経て正式に決定する。
 新・・・