経済V字回復の 「楽観シナリオ」
誤解だらけの「感染症の本質」
2020年6月号
COVID-19の感染拡大はとりあえずピークを越えた。政府の緊急事態宣言が解除され、焦点は「ポスト・コロナ」へ移った。急激な社会変革を迫られるという見方が多い。経済分野では、米国、ロシア、ブラジルなど海外での感染拡大、第二波への警戒、予想以上に悪化している経済指標の相次ぐ発表で、「V字形の景気回復はない」という観測が支配的だ。
しかし「感染症の本質」を踏まえると、劇的なレジーム(体制)転換は考えにくい。景況感も、急ピッチで回復するだろう。いち早く感染拡大を抑制した中国は、政府の統計は信用できないものの、同国の景気に敏感に反応する銅の国際相場は年初来の高値で推移し、典型的なV字形回復の兆候を示している。
感染症の恐怖は「忘れやすい」
人類史上において、ウイルスは「戦う敵」ではなく「共存するべき大先輩」である点においては、もはや異論はないだろう。ようやく「ウィズ・コロナ(with Corona)」という認識が浸透してきた。本稿では近視眼的な大手メディアが使う「新型コロナ」という表記を避ける。COV・・・
しかし「感染症の本質」を踏まえると、劇的なレジーム(体制)転換は考えにくい。景況感も、急ピッチで回復するだろう。いち早く感染拡大を抑制した中国は、政府の統計は信用できないものの、同国の景気に敏感に反応する銅の国際相場は年初来の高値で推移し、典型的なV字形回復の兆候を示している。
感染症の恐怖は「忘れやすい」
人類史上において、ウイルスは「戦う敵」ではなく「共存するべき大先輩」である点においては、もはや異論はないだろう。ようやく「ウィズ・コロナ(with Corona)」という認識が浸透してきた。本稿では近視眼的な大手メディアが使う「新型コロナ」という表記を避ける。COV・・・