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社会・文化

《日本のサンクチュアリ》厚労省・結核感染症課

「コロナ騒乱」諸悪の根源

2020年5月号

 新型コロナウイルス対策の迷走が続く日本。ここにきて感染者が急増している。本誌は三月号で国立感染症研究所、四月号で新型コロナウイルス専門家会議の問題を解明した。残るは本丸の厚生労働省健康局結核感染症課だ。
 新型コロナウイルスのような新しい病原体が発生したときに、まず担当するのが結核感染症課。検疫法と感染症法を所管するためだ。検疫法に基づき、空港などで水際対策を指示すると同時に、感染が判明した人物を隔離し、その人物との接触者を探しだし、検査する。さらに、国立感染症研究所と連携して感染経路を調査する。今回の流行では、二月二十五日、新型コロナウイルスクラスター対策班を設置している。
 このように書くと感染症対策のプロ集団で、各所から選りすぐりの専門家が集まっているような印象を受けるが、実態は違う。総勢三十人程度の小さな組織で、トップの課長ポストは医系技官の指定席だ。現在、課長を務めるのは日下英司氏。一九九四年に九州大学を卒業した外科医で、国連日本政府代表部、大臣官房国際課国際協力室長、国立国際医療研究センター国際医療協力局長などを経て現職だ。医療業界誌は「国際保健分野の・・・