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WORLD

米国はコロナで何を間違ったか

最強「感染対策集団」の崩落

2020年5月号

 世界最高峰の医療産業・学界を擁する米国が、世界最悪の新型コロナウイルス感染国になってしまった。ドナルド・トランプ大統領が、自己の再選のため無責任な運営をしたのが最大の原因だ。保健福祉省や疾病予防管理センター(CDC)、食品医薬品局(FDA)のプロ集団が、総崩れになったことも痛かった。
 人類の最先端にいた研究者たちが、どこで間違ったのか―。プロを使う政府が機能しないと、プロにも緩みが生まれ、致命的なミスを重ねることが分かる。
 米国の研究者たちは昨年十二月末、中国湖北省で異常な肺炎、呼吸器系疾患が多発したことを知った。この時、中国政府とほとんど時間差はなかった。
 年が明けた元日には、米国の情報関係者、医療関係者は中国側の情報筋に「そっちで何が起きているのか」と探りを入れている。
 一月二十一日、武漢地域を訪れた三十五歳の男性が、帰国の機内で発病し、ワシントン州シアトルに戻った。日本の初感染の五日後だ。
 ウイルスの米国上陸に、CDCは危機モード全開になり、局内の「緊急オペレーション・センター」を稼働させた。
 米国内の研究・・・