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経済

「空中分解」するソフトバンク

ベンチャー投資「バブル崩壊」の惨劇

2020年5月号

「厳しい冬の後には春が来るんだということを改めて体感したような今日の気持ちであります」。ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長は二月、第3四半期決算発表でこう述べていた。懸案だった米携帯電話四位の子会社スプリントと同三位のTモバイルUSとの合併構想が実現に近づいたからだ。しかし、その後、ほかの投資先企業の相次ぐ損失拡大懸念で自社の株価は暴落、四・五兆円分の保有資産現金化や追加の自社株買いを発表したものの、社債格付けは二段階引き下げられたうえ、二〇年三月期の業績予想で営業利益が一兆三千五百億円の巨額赤字に転落する見通しとなった。
 SBGはソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)とともに、主としてシェアリングエコノミー(ホテル、モビリティ、不動産分野など)企業群に投資してきたが、これらの企業が新型コロナウイルス感染拡大の直撃を受け、巨額の投資損失を計上する見込みだ。「群戦略」の名のもとに、「ばら撒き」とも言える投資をしてきたSBGは空中分解の時を迎えている。

回収不能の埋没費用が拡大

 今・・・