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「コロナ政変」に怯える習近平

党と人民で高まる「倒習」機運

2020年5月号

 世界各国が今なお当初の想像をはるかに超える惨禍に見舞われている中、中国は四月半ばには武漢の封鎖を解き、「対コロナ戦」勝利を宣言した。だが、実態はいつ感染が再爆発するかわからない薄氷の上。そのなかで沸騰しているのは「倒習」、すなわち習近平政権打倒の動きだ。隠蔽と専横に反発する共産党内の改革派に加え、長老たちも習の政治姿勢を攻撃し始めた。半年前には何人も対抗できない権力を握ったかにみえた習にとって「失脚」を含め、最大の政治的危機が近づきつつある。

長老と経済人の「建議」

「五老上書」と党内で呼ばれる建議が習のもとに届いたのは三月二十五日。「決して長文ではない」(関係者)とされる建議の内容は極秘にされているが、①習がコロナウイルス感染拡大の責任を認め、下の者に転嫁しない②「一帯一路」政策や軍事力強化に国富を浪費し、国民を顧みない姿勢を真摯に反省する③共産党総書記、国家主席の任期は慣例を順守する―の三点が盛り込まれていた可能性が高い。
 通常の建議でこれほど共産党トップに挑戦的な内容であれば、習は黙殺する・・・