プーチン王朝「二重苦」の混沌
原油暴落とコロナで最大のピンチ
2020年5月号
複数のハリケーンが合体し、一気に発達して猛威を振るう現象を「パーフェクト・ストーム」と言うが、ロシア紙「モスコフスキー・コムソモーレツ」(四月六日付)は、新型コロナウイルスの蔓延、産業活動停止、原油価格下落でロシアを「パーフェクト・ストーム」が襲い、貧困層を直撃すると報じた。事実、ロシアのコロナ感染者は増え続け、四月二十三日時点で六万二千人とワースト十カ国入りした。ニューヨーク商業取引所の原油先物は二十日、需要激減と在庫増で一バレル=マイナス三十七・六三ドルと前代未聞のマイナス価格を付けた。原油価格がマイナスに陥ったのは史上初めてだ。
ロシアにとって、石油・ガスは輸出の七割、国家予算歳入の四割を占める大黒柱だけに、価格暴落は大打撃だ。原油価格高騰を背景に「強いロシア」を推進してきたプーチン大統領の政権基盤は崩れ、コロナ対策の不備もあって支持率が低下しつつある。大統領の五選を可能にする憲法改正の国民投票や、最大の国家行事である五月九日の対独戦勝記念式典は延期された。最長で、八十三歳になる二〇三六年までの続投を目論むプーチン氏の延命戦略が狂い始めた。
デフォルトの恐れも・・・
ロシアにとって、石油・ガスは輸出の七割、国家予算歳入の四割を占める大黒柱だけに、価格暴落は大打撃だ。原油価格高騰を背景に「強いロシア」を推進してきたプーチン大統領の政権基盤は崩れ、コロナ対策の不備もあって支持率が低下しつつある。大統領の五選を可能にする憲法改正の国民投票や、最大の国家行事である五月九日の対独戦勝記念式典は延期された。最長で、八十三歳になる二〇三六年までの続投を目論むプーチン氏の延命戦略が狂い始めた。
デフォルトの恐れも・・・