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WORLD

メッカ発「イスラム圏」感染爆発

人口大国に「次の大波」襲来

2020年5月号

 サウジアラビアにあるイスラム教の聖地、メッカとメディナが、新型コロナウイルスの「スーパー・スプレッダー(巨大感染源)」になった可能性が浮上している。複数のイスラム教国で、メッカ巡礼帰りからの感染拡大が相次いで伝えられているからだ。
 サウジ以外にも、トルコ、パキスタン、インドネシアなどイスラム圏の人口大国では、中国、欧米に続く、感染爆発の「次の大波」襲来の懸念が高まっている。
 サウジのような独裁王政の国で、感染の真実を知るには、国王周辺の動きに目を光らせるしかない。
 公式発表によれば、この国の最初の感染例は三月二日。三月下旬になって一千人を超えた程度で、世界の感染症学者のレーダーには入ってこなかった。
 むしろ、首都リヤド、聖地メッカ、メディナなどに「二十四時間外出禁止」の厳しい措置を敷いたことで、世界の専門家たちからは「サウジは決然かつ大胆な行動で、感染拡大を止めている」(在米シンクタンクの中東研究員)と、評価の声が上がっていたほどだ。

首都から消えた国王と皇太子

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