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社会・文化

病院にも迫る「コロナ倒産」の足音

患者「激減」の異常事態

2020年4月号

 医療崩壊の足音が迫ってきている。新型コロナウイルスの感染が拡大し、患者が病院に殺到するからではない。その逆に、患者が来ないため、病院経営が成り立たなくなる公算が高いからだ。
 都内のクリニック経営者は「例年、冬場は一日で百五十人程度の患者が来ますが、三月は平均して七十人程度でした」という。
 一月末から患者が減りだし、二月は平均して百二十人程度、そして三月は例年の半分となった。
 このクリニックの場合、損益分岐点となる患者数は百人程度。三月は一千万円程度の赤字となる。
 現在、保有する現金は一億円程度。医療機関への診療報酬は二カ月遅れで健康保険から支払われるため、まだ影響は出ていないが、この状態が続けば深刻だ。
 これはクリニックに限った話ではない。都内の公立病院に勤務する外科部長は「三月の手術数は例年の半分」というし、福島県の民間病院の事務長は「外来も入院も例年の半分」と嘆く。新型コロナウイルスの感染症病床を有する都立病院でさえ、「病棟も外来もガラガラ」(内科医)だという。

「患者が減った」六一%・・・