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WORLD

世界「コロナ恐慌」の暗黒

経済危機は「リーマン」以上に

2020年4月号特別リポート

 新型コロナウイルスの世界的拡大で、世界経済は二〇〇八年の世界金融危機(リーマン・ショック)を遥かにしのぐ、「コロナ恐慌」に陥った。〇八年と同様に、野放図な債務を重ねた国際金融業界が主犯だが、治療薬のない新感染症と実体経済への打撃との組み合わせは、極めて毒性が高い。
 ドナルド・トランプ米大統領は、〇八年時をしのぐ金融・財政出動で強引に対処しようとしているものの、米市場関係者の間では「早期回復は全く誤った幻想だ」とする見方が強まっている。
 各国株式市場に始まった危機は、消費崩壊に伴う恐慌、欧州単一通貨「ユーロ」圏の混乱、さらに新興国経済の退潮へと続く兆候が、顕著になっている。

不況長期化を知っていた米支配層

 まだ米国での新型コロナウイルス感染が、目立たなかった二月十三日。米上院の情報特別委員長を務めるリチャード・バー上院議員が、保有株式をこっそり売却した。判明しているだけで、円換算で一・八億円ほど。同議員は財務委員会の委員でもあり、中央情報局(CIA)や財務省から内部情報のブリーフィン・・・