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連載

広告を裏読みする 第16話

「CM」と「番組」のグレーな境界
本誌編集部

2020年4月号

 番組と広告の境界線―。準キー局、関西テレビ放送の番組ガイドラインでは「この二つは放送法によって、截然と区別される必要がある」と謳っている。截然とは「区別がはっきりしている様」を意味しており、仰々しい言葉遣いをしているものの、要するに広告と誤解される曖昧な番組を作ってはならないと言っているのだ。
 しかし民放業界では番組と広告の線引きは常にぼやかされてきた。折しも、テレビの広告費がネットのそれに水をあけられ、放送業界が今後どのように稼ぐかという難題に直面している中で、改めてこの問題が注目されている。
 三月六日、日本民間放送連盟は加盟社にある通達を出した。表題は「放送基準審議会から放送基準の遵守・徹底のお願い」とあり、広告と誤解される番組作りについて注意喚起を行っている。
「こうした番組は地方局が苦しい台所事情の中で編み出した苦肉の策。たしかに問題はあるだろうが、杓子定規に規制すればおマンマの食い上げになりかねない」
 電通のある幹部はこう漏らす。まず問題になったのは約一年前、二〇一九年三月に長野放送(フジテレビ系列)が放送した「働き方改革から始・・・