《企業研究》電通グループ
「五輪延期」でも救われぬ 経営悪化
2020年4月号
社内はすっかり楽観ムードに包まれているという。中止か、延期か、はたまた無観客か―。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、今夏の開催が危ぶまれてきた東京2020オリンピック・パラリンピック。日本政府と国際オリンピック委員会(IOC)が三月二十四日に「一年程度の延期」で合意したことで、中止や無観客での開催といった「最悪のシナリオ」(日本オリンピック委員会=JOC関係者)はひとまず遠のいた。
森喜朗元首相が会長をつとめる大会組織委員会と一四年にマーケティング専任代理店契約を締結し、東京五輪の広報・プロモーション活動を一手に担ってきた広告代理店国内最大手の電通グループ。仮に中止となれば、全国で今後行われる五輪関連イベントやテレビ・ラジオでのコマーシャル、さらには五輪本番での管理・進行・演出などに絡んだ収益がすべて吹き飛び、経営への打撃が避けられない情勢だっただけに、電通スポーツ局関係者の一人もほっと胸を撫でおろす。「開・閉会式の演出だけで約百三十億円の売り上げを見込んでいた。一時はどうなることかと肝を冷やしたが、延期で済めば御の字。損失は最小限に食い止められる」。
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森喜朗元首相が会長をつとめる大会組織委員会と一四年にマーケティング専任代理店契約を締結し、東京五輪の広報・プロモーション活動を一手に担ってきた広告代理店国内最大手の電通グループ。仮に中止となれば、全国で今後行われる五輪関連イベントやテレビ・ラジオでのコマーシャル、さらには五輪本番での管理・進行・演出などに絡んだ収益がすべて吹き飛び、経営への打撃が避けられない情勢だっただけに、電通スポーツ局関係者の一人もほっと胸を撫でおろす。「開・閉会式の演出だけで約百三十億円の売り上げを見込んでいた。一時はどうなることかと肝を冷やしたが、延期で済めば御の字。損失は最小限に食い止められる」。
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