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「コロナ以前」に戻れない中国経済

国家主導の「成長熱狂」に終止符

2020年4月号

 新型コロナウイルス感染は発信地である中国では表面的には最悪期を脱し、経済活動も緩慢ながら復旧に向かっているという。だが、中国経済が「コロナ以前」に戻ることはないだろう。中国の成長を牽引してきた外資の直接投資、輸出、個人消費の三要素がそろってピークアウトし、縮小に向かうからだ。習近平政権は再び巨額の財政出動を打ち出すが、実質なき張りぼて。頼みの個人や企業はもはや「坂の上の雲」を見てはいない。新感染症は一九九〇年代半ばから三十年間続いた「チャイナ・ユーフォリア(根拠なき熱狂)」に終止符を打った。
 前年同月比七九・一%減―。二月の中国の新車販売台数は衝撃的な減少幅となった。一月末以降、コロナ感染の拡大によって湖北省武漢市に始まって、主要都市が次々と打ち出した外出禁止や企業の強制休業からすれば当然の落ち込みだが、スコープを広げて捉えれば別の意味もみえる。
 二〇一六年二千八百三万台、一七年二千八百八十八万台、一八年二千八百八万台、一九年二千五百七十六万台。世界最大の自動車市場である中国ではすでに五年前から成長はほぼ止まり、一八年、一九年は連続でマイナス。市場の飽和と消費・・・