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WORLD

アジアを襲う「害虫」異常発生

新感染症の次は「食糧危機」

2020年4月号

 世界が新型コロナウイルス感染に怯え、世界経済が恐慌の淵に立つなか、もうひとつの巨大リスクがアジアを襲おうとしている。「サバクトビバッタ」と「ツマジロクサヨトウ」の二大害虫がインド、中国の穀倉地帯を襲い、今年の食糧生産が半減しかねないからだ。東アフリカで異常発生したサバクトビバッタの大群はすでにパキスタン、インドに飛来、収穫期が近づく冬播き小麦を食い尽くしつつある。中国では同バッタの飛来警報に加え、ツマジロクサヨトウの幼虫が穀倉地帯の東北部に向けて移動を始め、トウモロコシ、小麦を蝕みつつある。コロナショックで原油など商品相場が暴落するなか、唯一小麦相場は不気味な上昇を続けている。
 三月十七日、中国国務院常務委員会は「農作物病虫害防止管理条例(草案)」を採択し、李克強首相が全国に異例の害虫警報を発令した。対象になっているのは、サバクトビバッタとツマジロクサヨトウのふたつだ。
 サバクトビバッタは昨秋、ケニア、エチオピアなどで「七十年ぶりの大発生」(国際連合食糧農業機関=FAO)となり、東アフリカのトウモロコシなどに壊滅的打撃を与えた後、アラビア半島を経由して、二月に・・・