「死の都市」イタリア医療の腐敗
世界最悪感染国の「人災」
2020年4月号
イタリアが新型コロナウイルスの死者数で中国を抜き、世界最悪の感染国になった。
現地からは、医療従事者の極限状況が伝えられるが、イタリアの医療機関では以前から、スタッフの常習欠勤や詐欺が蔓延し、近年は「医療制度崩壊」が深刻な問題になっていた。無知で無責任な政治家たちと合わせ、「こんな国になってはいけない」という見本だったのである。
大病院は「欠勤・汚職」天国
国中が死者急増でパニックに陥っていた三月半ばのことだ。
ナポリの有名病院で「二百四十九人の医師が偽診断書を出して、違法に欠勤している」というニュースが報じられた。この病院の医師数の三分の一に当たり、「国難の時に何たること」とごうごうたる非難が起きた。ナポリ検察はただちに捜査に乗り出した。
病院は従業員三千人。本来ならナポリ地域の中核医療機関のはずだが、最近は毎年のように、常習欠勤と汚職が明るみに出ていた。
昨年、当局が病院のタイムカード機のそばに隠しカメラを置いて調べたところ、一人が数人分のカードを持って・・・
現地からは、医療従事者の極限状況が伝えられるが、イタリアの医療機関では以前から、スタッフの常習欠勤や詐欺が蔓延し、近年は「医療制度崩壊」が深刻な問題になっていた。無知で無責任な政治家たちと合わせ、「こんな国になってはいけない」という見本だったのである。
大病院は「欠勤・汚職」天国
国中が死者急増でパニックに陥っていた三月半ばのことだ。
ナポリの有名病院で「二百四十九人の医師が偽診断書を出して、違法に欠勤している」というニュースが報じられた。この病院の医師数の三分の一に当たり、「国難の時に何たること」とごうごうたる非難が起きた。ナポリ検察はただちに捜査に乗り出した。
病院は従業員三千人。本来ならナポリ地域の中核医療機関のはずだが、最近は毎年のように、常習欠勤と汚職が明るみに出ていた。
昨年、当局が病院のタイムカード機のそばに隠しカメラを置いて調べたところ、一人が数人分のカードを持って・・・