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政治

新型コロナ「混乱」の戦犯は内閣官房

危機管理担当「事態室」はパンク寸前

2020年3月号

 出口の見えない新型コロナウイルス感染拡大の中、厚生労働省や内閣官房の職員にも感染者が出て、霞が関にも動揺が広がっている。事態が悪化し始めた一月下旬以降、これに対処する司令塔が置かれたのは内閣官房だった。一連の混乱を通して浮き彫りになったのは、官房長官をトップとする寄せ集め所帯の内閣官房が現行制度で国難的な危機に対応するには無理があるということだ。

緊急事態がもう一つ起きたら……

 新型コロナウイルスへの対応では、内閣官房副長官補のもとにある「事態室」と呼ばれる事態対処・危機管理担当の職員がフル稼働を強いられている。関係者によると「他の危機管理対処事態が同時発生した場合は『事態室は崩壊する』と懸念する声もあがっている」というから、対応能力はすでに限界に達しているとみられる。
 事態室の業務は、地震や台風などの自然災害から北朝鮮のミサイル発射にいたるまで多岐にわたる。ただ、感染症対策は十分に想定されておらず、政府内では「とりあえず事態室にやらせろ」というパッチワーク的な対応・・・