広告を裏読みする 第14話
箱根駅伝「ナイキ厚底靴」とカネ
本誌編集部
2020年2月号
令和になって初めての大発会は、年末年始にかけて緊張状態が高まった米イラン情勢を受けて大幅安だった。軒並み株価を落とした中で、スポーツ業界の注目を集めたのがアシックスの値動きだ。中東とは無関係にもかかわらず、一時五%も下落したのだが、その原因は正月の風物詩、箱根駅伝だった。
一月二日、三日の両日に行われた今年の大会は、「ピンクのシューズ」が席巻した。往路、復路合わせて二百人以上が走ったが、実に八割もの学生ランナーがナイキの厚底シューズ、「ヴェイパーフライ」を着用していたのだ。
二〇一七年大会まで箱根路を走り抜ける学生が好んで着用していたのは、アシックスとミズノという国内メーカーの靴だった。それが一八年にナイキによって逆転され、今年はとうとう「制圧」されてしまったことで、株式市場が敏感に反応したのである。
面白いのはこの翌週、「国際陸連がナイキの厚底シューズを規制する」という英国発の観測報道が出るや、アシックスの株価が急反発したことだろう。
正月に平均視聴率約三〇%という数字を叩き出すお化けコンテンツの「広告効果」の裏面を如実に表したといえ・・・
一月二日、三日の両日に行われた今年の大会は、「ピンクのシューズ」が席巻した。往路、復路合わせて二百人以上が走ったが、実に八割もの学生ランナーがナイキの厚底シューズ、「ヴェイパーフライ」を着用していたのだ。
二〇一七年大会まで箱根路を走り抜ける学生が好んで着用していたのは、アシックスとミズノという国内メーカーの靴だった。それが一八年にナイキによって逆転され、今年はとうとう「制圧」されてしまったことで、株式市場が敏感に反応したのである。
面白いのはこの翌週、「国際陸連がナイキの厚底シューズを規制する」という英国発の観測報道が出るや、アシックスの株価が急反発したことだろう。
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