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欧州王室「人余り」で進むリストラ

ハリー王子の「早期離脱」は賢明

2020年2月号

 英王室のハリー(ヘンリー)王子とメーガン妃の王室離脱騒動は、等身大の家族ドラマとして、日本でも注目を浴びた。背景にあるのは、欧州各国の王室が、厳しいリストラと事業見直しの時期に入ったという事実である。ブランド力・発信力のない王族は、早晩消える、淘汰の時代を迎えた。
 ハリー&メーガンの物語は一月、英国はもとより、米国でもドナルド・トランプ大統領の弾劾騒動をしのぐ、メガヒットだった。
 ヒロインはアフリカ系アメリカ人の元女優で、アンチとシンパがくっきり。米英の白人女性層の反感が、関心をさらに煽った。雲の上の世界の話に、自分たちを重ねて、ハラハラしていた。
 こんな現象の生みの親が、無名のオーストラリア人だったことは、あまり知られていない。
 今年九十歳になるウィリアム・ヘーゼルタイン氏は、六十年前の一九六〇年に、英王室で広報の仕事を始めた。いったん母国に戻った後、六五年にバッキンガム宮殿に戻り、九〇年まで二十五年間、様々な役職で女王に仕えた。
 同氏は元来、政治家の秘書。英政府から、「海外から広く人材を募りたい」と声がかかったのが、渡英・・・